Welcome to AFS YP15

榊優理子

榊優理子

榊優理子

Kokomo, Indiana
Northwestern High School
              

私のAFS体験記

  ニューヨークから他の国からのAFS生と共に貸し切りの夜行バスに乗り、シカゴに行きました。早朝シカゴに着き、迎えに来たホストファミリーに会った人もいたようですが、それぞれ方面別のバスに乗せられました。私の目的地はインディアナ州ココモ市でした。手違いでホストファミリーの写真が離日まで届かなかったので、ココモ市のバス停でアメリカの家族に会えるのかどうかとても心配でした。途中バスの乗り換えもあり、もちろん、バスの運転手さんが世話をしてくださいましたが、このバスの3時間が私の生涯で一番不安な3時間でした。幸いココモでホストファミリーとAFSの担当者が出迎えてくださったのでほっとしました。このときからの一年間はとても楽しく過ごすことが出来ました。
 ココモ市は、人口5万の町でジェネラルモータースの子会社等働くところもあり、余り犯罪もなく平和な町でした。犯罪がないという証拠に、私のアメリカのママは、出かける時、鍵をかけると、鍵を玄関マットの下に入れて出かけました。
 家族は6人で、父は外科医、母は専業主婦、大学生の姉はカリフォルニアの大学に、高3の息子はケンタッキーの寄宿学校で、高1の娘と3才の息子が家にいました。黒人の通いのお手伝いさんがいて、母は活発にボランティア活動をしていました。
 私が入ったノースウェスタン・ハイスクールの高3は生徒数160人くらいでした。公立でしたが、白人しかいない学校で、町には黒人もいるのにと驚きました。後で判ったことですが、私達の住んでいる地域は郊外で農家も多く、また、戸建ての家の敷地も広く、黒人の方はその当時住んでいなかったと言うことです。
 地域の生活は今思うととても保守的だったと思います。支持政党は圧倒的に共和党でした。皆さん熱心なキリスト教信者で、私も、日曜日はミサ、サンデースクールにいき、そのあと聖歌隊の練習と夜まで教会にいました。一度だけお父さんに誘われて教会をすっぽかし、射撃(クレイシューティング)行った思い出があります。
 学校は8時に始まり、ランチ25分を除いて3時まで授業がありました。私は英語・数学・米国史・スピーチ・政経等を取り、AFSクラブとコーラスに入りました。この地域は保守的で、聖書の言葉は正しく、ダーウィンの進化論は間違っていると思っている人が多いことに驚きました。ちなみに、科学で成績1番を獲得した友達は反進化論者で驚きました。私のホストペアレンツは進歩的だったので助かりました。
 金曜日の夜は体育館でダンスを楽しみ、土曜日はフットボールやバスケットの試合の応援をし、
日曜は1日教会という一年でした。
 半年を過ぎたら日本のことをスピーチするということになっていましたので、日曜日には着物を着て、ギターとスライド何枚かもって 色々な教会に行くことが多かったです。私は東京出身ですので、日本がずいぶん発展していることを知らせたかったのですが、なにしろ1ドル360円の時代ですから、日本が貧しかったことは否めませんでした。
 高校でのミュージカルにも出演することが出来たし、他の町に行ってスピーチコンテストに出たこともあったし。当時まだ珍しかったコンピュータープログラミングを習ったり本当に色々体験させてもらいました。
 最後のバストリップが、また、良かったと思います。一ヶ月色々な国の留学生とバスに乗って旅行したのは本当に楽しかったです。まず、多くの人のAFS体験を聞くことができたし、多くの国の若者と話すことが出来たし、アメリカの東半分、つまり、最初に植民した地域を見ることが出来嬉しかったです。
 まず、ナイアガラの滝を見たし、フィラデルフィア・ボストン・ニューヨーク等メーン州まで行くことができました。最後にワシントンに全米からAFS生が集まり、ホワイトハウスに行き、
大統領がスピーチしてくださったのは大感激でした。
私達がワシントンにいるときに、アポロが月面着陸したというのも忘れられない一コマです。
 あのころは、目の前に広がっている人生に夢を持ってドンキホーテのように進んでいったような気がします。今はもう61才になり、世の中に貢献したことと言えば、二人子供を働き手として産んだことくらいでしょうか。
 子供達にはアメリカを見せたいと思い、1986年には三人でアメリカに行きました。ニューヨークにいた義姉の家経由でインディアナに行き夏をすごし、1989年は主人も交えて家族全員で行き、卒業20年のreunionにも出席し、多くのクラスメイトに会えたし、子供と私は一ヶ月ココモで過ごし、二人暮らしをしていた両親と楽しいひとときを過ごすことが出来て良かったと思います。
アメリカの両親も一度日本に来てくださったことがあり、私の家族と楽しいひとときを過ごして下さったのも良い思い出です。
 一昨年の夏に、卒業40年のreunionがありましたが、両親はなくなり、兄弟姉妹は誰もココモに住んでいなかったので、友人の家に泊めてもらいました、周囲の景色は、相変わらずトウモロコシと大豆の畑でしたが、学校は建て替えられていて、母校の先生になった同級生が案内してくれました。クラスメイトは全米に散らばっていましたが、沢山集まりました。私が一番遠くから来たで賞をもらいました。
 AFSで素晴らしい一年間を過ごさせていただいたので、私も何かお手伝いが出来ないかと思い
来日しているAFS生のお役に立ちたいと思い少しお手伝いさせていただいた時期があります。何人かのAFS生を短期間家に預からせていただいたり、通っている学校やホームステイ先に伺ったり、ほんの少しですがお手伝いさせていただきました。
 今は、NPO法人調布市民オペラ振興会の理事長として良質のオペラを多くの方になるべく安価に気軽に観にいらしていただきたいと2年に一度のオペラ公演を実施することに力を注いでいます。来年は12月1日・2日に「トゥーランドット」を調布市のグリーンホールで公演することに全身全霊をかけています。現在合唱団員を募集しております。コーラスが初めての方でも大丈夫ですので、定年後の活動としてはオペラの舞台はとても楽しいですよ。是非ご応募してください。

powered by Quick Homepage Maker 4.8
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional